軸にキー溝加工をしたかったらフライス盤を使えばよいのですが、穴に溝加工をするとなるとスロッターが必要です。
大学や高専なら汎用フライス盤はあるでしょうが、スロッターが置いてあるところはなかなかないと思います。
ここでは旋盤で穴にキー溝を加工する方法を説明します。
ツールの作成
まずは溝加工をするための工具を製作します。
折れたエンドミルやドリルなどをグラインダで削って以下のような工具を作ります。
先端の幅をキー溝の幅と合わせます。
セッティング
エンドミルの外形に合わせ丸棒の軸方向に穴を開け、先ほどのツールを挿し込みます。
これを旋盤の刃物台にセットします。
ツールが材料の中心と合うように調整してください。
材料はチャックにセットします。
旋盤の回転数は最低速にしておきます(材料が回転してずれるのを防止するため)。
以下はセットの様子です。少し斜めにして刃物台を固定します。
加工
あとは縦方向(半径方向)に少しずつ(0.02~0.05 mmステップ)進めて、刃物台を軸方向に送って削っていきます。
加工の様子です。
以下は実際に加工したカップリングです。
良い精度は出ませんがキーを通したいだけなら十分です。