元高専生のロボット作り

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主にプログラミング, 電子系について書きます。たまに機械系もやります。メモ代わりの記事ばっか書きます

銅張基板のすずメッキ

片面銅張基板などを切削してプリント基板を作ることがあります。

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銅張基板は秋月などで売っています。

akizukidenshi.com

Amazonでも売ってる

NCフライス盤や基板加工機などで切削して部品を実装すると以下のようにプリント基板を自作することができます。

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しかし、表面は銅がむき出しですので、空気や皮脂などによって変質、変色してしまう恐れがあります。 以下は実際に劣化してしまった基板です。 基板の一部が黒ずんでしまっています。

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よって、さびにくいスズを使用してのメッキを施してから基板を加工しました。

メッキ手順

用意するものは以下です。

  • サンポール(薬局で手に入る)
  • 計量カップ
  • 容器(タッパーとか)
  • すずはんだ(99%すず、鉛フリー)
  • 片面銅張基板
  • ワニ口クリップ
  • 配線
  • 電池1本

0. 銅張基板の表面を軽く研磨する

表面の酸化膜を軽く除去します。 終わったらキムワイプなどでふき取りましょう。

1. 2%塩酸を作成する

サンポールがだいたい10%塩酸なので、5倍希釈して2%塩酸を作成します。 サンポール50mLに水200mLぐらいがちょうどよいです。

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2. 配線する

プラス側(陽極)にはんだ、マイナス側(陰極)に基板です。 基板とはんだが触れないようにしてください。

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3. 電源をいれる

標準電位がスズ-0.1375V、銅0.34Vなので電池一本(1.5V)あれば足りますね。

電源を入れると以下のように、被メッキ材から水素が泡となって発生します。

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4. 洗浄

反応が終了したら、基板を取り出してふき取ります。

以下は元の銅張基板とメッキ処理した基板の比較です。

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またメッキ処理した基板も同様に切削してプリント基板を作成することが可能です。

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